いいバターナイフができました

24年モデル完成

 

 毎年秋の展覧会でご披露しているバターナイフの今年のモデルがやっと完成した。

既に好評を頂いていて変更もいかがなものかと思うのだが、そこが性分で、気付いたところを改善したくなる。このモデルとしては、完成形に近いと思っているのだが、日々使いながら眺めるうちに気になるディテールを発見するのだ。

 23年モデルの形板と24年モデルの形板を比べても、差がないようにも見えるが、実際は全体の長さが僅かに長くなり、先端の曲線が23年モデルとは微妙に異なる。

 もっともらしい説明をしているが、これはただのこだわりで、実際は一本一本手で仕上げていくので、正確に形板どおりに仕上がるものではない。本音を言えば技術の未熟さのみならず、その日の気分すら影響するものなのだ。


少しでも完成度を上げていきたい、ただそれだけのことだ。

 サンプルを制作したのは樫の木で、固く丈夫な材料なので用途には最適だと思っているが、できれば他の樹種を検討したいというほど固い素材で、ともかく手間が半端ではない。他の樹種も含めて今年の秋の展覧会までに、はたして何本できるのやら、いまのところ未知数だ。